【厚労省】ARB及びACE阻害剤の適正使用の周知徹底を図る

2014年9月30日に厚生労働省医薬食品局は医薬品・医療機器等安全性情報316号を発行しました。その中で、高血圧治療剤であるARB及びACE阻害剤の妊婦・胎児への影響を実際の症例を交えながら説明し、妊婦や妊娠する可能性がある女性に対しての適正な使用の徹底周知を医療関係者に呼びかけました。ARB及びACE阻害剤は、既に妊婦への投与は禁忌となっている医薬品ですが、妊娠発覚前からの継続投与により、胎児に影響がみられたと疑われる症例が多数報告されています。これを受けて、医薬品医療機器総合機構(PMDA)がARB及びACE阻害剤の適正使用を呼びかける文書を公表したため、厚労省もこれを徹底周知させるよう、呼びかけています。

妊娠と薬について

妊娠中の服薬が胎児に影響を及ぼす可能性は十分にあるということは、既に広く知れてきています。しかし、多くの場合は外表奇形のような先天異常に関する影響のみを知っている状況で、長期的に見た発達障害などのリスクに関しては、妊婦はもちろんの事、医療従事者でさえ十分に理解できていないのが現状です。ARB及びACE阻害剤による胎児への影響の報告が後を絶たないのも、こうした背景がある為です。妊娠と薬に関する情報は日々更新されていきます。医療関係者はもちろん、妊婦自身も、常に最新の情報に目を通し、薬を使用するべきか、代替薬はないのかなどの判断を行うことが大切です。

ARB及びACE阻害剤の妊婦・胎児への影響

ARB及びACE阻害剤は、妊婦又は妊娠している可能性のある女性への投与は禁忌となっています。2008年の時点で、製造販売業者側からこのことに関して注意喚起をしてきたものの、妊娠が判明した後も継続して服用する例が後を絶たず、胎児にも影響が出ています。PMDAは、「投与中に妊娠が発覚した場合は、直ちに服用を中止すること」と呼びかけています。また、2011〜13年度にかけてPMDAに寄せられた症例は28例63件で、妊婦および胎児にみられる主な影響として、胎児・新生児の死亡、羊水過少症、早産、胎児発育遅延、新生児腎不全などが挙げられます。