アステラスのアゾール系抗真菌剤「クレセンバ」がFDAより承認取得

2015年3月9日にアステラス製薬株式会社(以下「アステラス製薬」)は、アゾール系抗真菌剤「クレセンバ」(一般名:イサブコナゾニウム)について、FDA(米国食品医薬品局)より「18歳以上の患者を対象とした侵襲性アスペルギルス症及び侵襲性ムーコル症の治療」の適応で承認を取得したことを発表しました。クレセンバは、アステラス製薬とスイスのバシリア社が共同で開発を進めているものです。2014年7月8日にアステラス製薬がFDAに、2014年7月16日にバシリア社がEMA(欧州医薬品庁)に販売許可申請を提出していました。今回の承認取得に係り、アステラス製薬はバシリア社に対して3,000万スイスフランのマイルストンを支払う見込みです。アステラス製薬は、今回の承認取得について、主に免疫不全患者で発症する重篤な真菌感染症である「侵襲性アスペルギルス症」「侵襲性ムーコル症」の新たな治療選択肢を提供できると期待を寄せています。

クレセンバの安全性・有効性について

クレセンバの安全性・有効性は、SECURE試験およびVITAL試験の2つの第III相臨床試験によって示されています。SECURE試験とは、侵襲性アスペルギルス症の成人患者516名を対象に行なった二重盲検実薬対照試験で、主要評価項目は「投与42日目までの総死亡率」です。当試験における主要評価項目は、クレセンバ投与群は18.6%、ボリコナゾール投与群は20.2%となり、ボリコナゾールに対するクレセンバの非劣性が認められました。また、クレセンバの安全性プロファイルは、ボリコナゾール投与群の死亡率と非致死性の有害事象発現率と同等で、メジャーな有害事象には、吐き気(26%)や嘔吐(25%)、下痢(22%)などが見られたとのことです。次に、VITAL試験とは、「腎障害を持つ侵襲性アスペルギルス症患者」と「稀な真菌による侵襲性の真菌感染症患者」37名を対象に行なったオープン試験です。当試験におけるクレセンバ投与群の総死亡率は38%でした。

クレセンバの使用について

クレセンバは、経口投与もしくは静脈内投与を行なうもので、開始用量として8時間おきに1回372mgを計6回投与するものとされており、初回の投与から12〜24時間後に症状が安定した場合は、1日に372mgを1回だけ投与することが推奨されています。
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