アステラス製薬とハーバードが共同研究契約を締結

2014年10月14日アステラス製薬株式会社は、ハーバードメディカルスクールと共同研究契約を締結したことを発表しました。この共同研究では、眼科領域における遺伝子治療の世界的な権威、コンスタンス・L・セプコ博士主導の下、網膜色素変性症の新しい治療法の開発を目指し、病態関連遺伝子の同定と検証を行うのが目的です。病態関連遺伝子の同定と検証はアデノ随伴ウィルスベクターを用いて行い、網膜色素変性症の病態メカニズムを解明し、治療標的を新たに特定します。この共同研究の契約期間は最長3年間となっており、この研究の結果として有用遺伝子が同定された場合は、その標的遺伝子に対する治療薬の研究開発および販売を独占的ライセンスに基づいて行う予定です。この締結はアステラス製薬のイノベーションマネジメント部が執り行ったもので、イノベーションマネジメント部では新薬創出を強化するために外部機関との提携活動を戦略的・体系的に行っています。

網膜色素変性症について

網膜色素変性症は、網膜に異常をきたす遺伝性、進行性の病気で、夜盲や視野が狭くなるなどの初期症状の後、視力低下や色覚異常を来し、最悪の場合、失明します。網膜色素上皮細胞に特異的に働く遺伝子変異によって起こる疾患だとされていますが、現在のところ網膜変性の病態メカニズムは解明されていないので、明確な効果を示すような治療法は確立されていません。この網膜色素変性症の研究に関しては、RPE65遺伝子の変異によって引き起こされる網膜色素変性症の遺伝子治療や、iPS細胞やES細胞を用いた再生医療など、各国でさまざまな研究が行われています。

日本における網膜色素変性症の研究

日本国内では、大日本住友製薬と理化学研究所との共同研究で網膜色素変性などの眼疾患領域における事業化などが行われています。大日本住友製薬と理化学研究所の研究においては、iPS細胞を用いた再生医療に取り組んでいます。今回、アステラス製薬が遺伝子治療の観点から網膜色素変性症の新たな治療法開発や、病態メカニズム解明に乗り出したことで、大日本住友製薬とは異った、新たな治療選択肢を患者に与えることが可能となる見込みです。
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