GHITファンドが第一三共とMMVに約6,730万円の投資

2015年2月5日に公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(以下「GHITファンド」)は、薬剤耐性マラリア用新薬開発研究におよそ6,730万円を投資することを決定したと発表しました。この投資は、第一三共株式会社(以下、「第一三共」)とスイスの非営利組織Medicines for Malaria Venture(以下、「MMV」)とのパートナーシップを対象に、第一三共とMMVが行なっている抗マラリア薬となる新たな化合物の探索研究に対して行なわれています。第一三共は、この支援金を用いて、保有している化合物50,000個のスクリーニングを行い、ヒット化合物を同定しました。第一三共およびMMVは、今後、この化合物が治療薬の特性を持つかを調べる試験を行い、これらの中から1つ以上のリード化合物を導こうとしています。この試験はオーストラリアのグリフィス大学エスキティス研究所ヴィッキー・アベリー教授、オーストラリアのモナシュ大学スーザン・チャーマン氏、アメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校エリザベス・ウィンツェラー教授とともに行ないます。また、第一三共とMMVのパートナーシップでは、薬剤耐性マラリア原虫に新たな作用機序を有する化合物の探索、三日熱マラリア原虫および卵形マラリア原虫に過去に感染した経験のある患者の再発防止薬剤、マラリア感染・伝播阻止薬剤の発見の検討も行なっています。今回のGHITファンドの投資は、ヒット・トゥ・リード・プログラム(HTLP)のプロジェクトで、数多くある化合物ライブラリーからスクリーニングによってヒット化合物を同定し、リード化合物へ導きます。Product Development Partnershipsと連携し、日本企業・研究機関などが保有しているヒット化合物からリード化合物を導き出すことが目的です。

マラリアについて

マラリア感染患者は2013年において世界で1億9,800万人で、そのうち死亡者は58万4,000人と推定されています。2000〜2013年の間にマラリアによる死亡率は47%減少しているものの、抗マラリア薬耐性のマラリア原虫が現れることは避けられない脅威であるため、マラリア制圧・撲滅の為には新たな効果的な抗マラリア薬やワクチンが必要とされています。

GHITファンド、第一三共、MMVの代表のコメント

GHITファンドCEOであるスリングスビーBTは、第一三共とMMVのパートナーシップについて、短期間で成果が出始めていることを喜び、更なる抗マラリア薬探索研究の推進に期待を寄せているとを述べました。また、第一三共代表取締役社長兼CEOの中山讓治氏は、世界に蔓延する深刻な感染症であるマラリアを制圧する創薬研究を行なうことは、第一三共のミッションに合った内容であり、このような研究をGHITファンドとともに行なえることを嬉しく思うと述べています。さらに、MMVのCEOであるデイヴィッド・レディー氏は、現在、薬剤耐性問題を解決するような効果的な治療薬開発が急務であるとし、第一三共とともに次世代治療薬に期待される化合物研究を行なうことによって、マラリア撲滅が可能になることを期待していると述べています。