中医協が「患者申出療養(仮称)」の実現に向け審議

2014年10月22日に第284回中央社会保険医療協議会総会が厚生労働省講堂にて開かれ、「再生医療等製品について」など全6テーマについて議論されました。その中で、「患者申出療養(仮称)」についての審議も行われ、実際に運用するに当たって4つの論点(申請対象となる医療について・協力医療機関について・申請手続きについて・国における審査について)が挙げられました。この「患者申出療養(仮称)」は、今年の6月24日に閣議決定した「「日本再興戦略」改訂 2014」のプランの一つで、最先端医療への迅速なアクセスを確保する仕組みづくりの一環です。これによって、難病患者からの申請を起点として未承認薬などの使用を保険外併用療養として迅速に行えるようにするもので、患者の治療の選択肢を拡大することが目的です。中医協では「患者申出療養(仮称)」実現に向け、次期通常国会に関連法案を提出することを目指しています。

「患者申出療養(仮称)」に必要な仕組み

「患者申出療養(仮称)」は、難病と闘う患者からの申し出を起点とすることが前提です。患者が迅速に未承認薬使用や承認薬適応外使用を行えるように、未承認薬に対する豊富な知見と十分な診療体制を持つ臨床研究中核病院の医師が、安全性や有効性を患者に十分に説明し、患者が理解し納得した上で申し出を行えるような仕組みが必要です。このため、対応医療機関や申請期間、国における安全性・有効性の審査などについて、十分な体制を敷く必要があります。また、この申し出の前提として保険収載を目指していることから、対象となる医療は保険収載の見込みがあるものに限定する模様です。これらの対象医療などについては、国がホームページで国民に広く周知させる案も提示されています。

「患者申出療養(仮称)」の具体的な方針

患者申出療養(仮称)として初めての治療の場合の流れは次の通りです。患者の申し出を受けた臨床研究中核病院は、安全性・有効性のエビデンスや保険収載に向けた実施計画などをまとめ、国に申請を行います。国はこの申請の安全性や有効性などの内容を、原則6週間以内に判断し、承認を行います。承認されれば、患者は臨床研究中核病院で治療を受けることが可能となります。これまでであれば、治療開始までに半年以上かかっていたものが6週間以内に短縮されています。また、既に他の医療機関で患者申出療養(仮称)が実施された治療であれば、患者は臨床研究中核病院でなくとも身近な医療機関で申し出を行うことができ、この医療機関が臨床研究中核病院に安全性審査を申請します。原則2週間以内で承認され、その後患者は身近な医療機関で治療を受けることが可能となります。「患者申出療養(仮称)」によって、患者が治療を受けられるまでの承認期間は半分に短縮されています。さらに、少なくとも年に1度は「患者申出療養(仮称)」の実施状況などを国に報告するものとし、安全性・有効性が確認できれば、保険を適用していく見通しです。
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