大塚製薬がアバニア社を買収し、神経疾患領域へ本格参入

2014年12月2日に大塚製薬株式会社(以下「大塚製薬」)は、アメリカのバイオベンチャー企業である、アバニアファーマシューティカルズインク(以下「アバニア社」)と買収契約を締結し、神経疾患領域に本格参入することを発表しました。この契約は、アバニア社と大塚製薬との間で、大塚製薬のアメリカ・カリフォルニア州における子会社大塚アメリカ インク(以下「大塚アメリカ」)を通じて、大塚製薬が現金による株式公開買い付け並びに現金を対価とする合併を実施し、アバニア社を買収したものです。大塚製薬は、3,539Mドル(日本円でおよそ4,200億円)でアバニア社を買収することになりました。

大塚製薬の本契約に対する見解

大塚製薬は、この契約について、自社の投資基本方針に則った、創造と実証の理念に基づくものだとしており、この契約により3つの新たな価値が自社に与えられるとしています。それらはすなわち、神経疾患による情動調節障害の市場(大塚製薬では未開拓分野)において創られた治療薬「ニューデクスタ」と、アルツハイマー型認知症による行動障害のための後期開発治療薬「AVP-786」、および精神疾患領域(大塚製薬の得意分野)と神経疾患領域(アバニア社の得意分野)、の3つです。この新たな価値により、大塚製薬の拡大戦略は、精神疾患領域だけに留まらず、神経疾患領域を含む中枢領域にも広がり、中長期的な強い成長が期待できるとしています。

大塚製薬の中枢領域事業について

大塚製薬では、2002年に統合失調症治療薬「エビリファイ」をアメリカで世界で初めて発表し、BMS(ブリストル・マイヤーズスクイブ社)と協力して双極性障害やうつ病にフォーカスした、新しい適応症の治療薬開発を行い、事業拡大を図っています。また、2011年にはルンドベック社と中枢領域におけるグローバルアライアンス契約を提携しており、グローバルな中枢事業の拡大基盤を構築しています。さらに2013年にはアメリカに、2014年には欧州に、エビリファイメンテナを上市しており、精神疾患領域の拡大を行なっています。今回の買収契約で、アルツハイマー型認知症や、パーキンソン病、多発性硬化症や筋萎縮性側索硬化症などの神経疾患領域へも事業を拡大する見通しです。中枢神経疾患における薬剤の作用機序はまだ十分に解明されていませんが、大塚製薬グループのアステックス社ケンブリッジ研究所が可能にした、中枢神経系疾患のターゲット候補化合物創製技術と、アバニア社の臨床開発・営業体制をうまく結びつけ、中枢領域事業の開発体制を築いていく模様です。
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