アストラゼネカが「チカグレロル」の大規模アウトカム試験結果を発表

2015年3月14日にアストラゼネカ株式会社(以下「アストラゼネカ」)は、大規模なアウトカム試験の全結果を米国心臓病学会第64回年次学術集会にて発表し、同時にNew England Journal of Medicineに掲載したことを、2015年3月18日に日本向けに発表しました。このことは、既に当日(3月14日)付けで本国(英国)では発表されており、日本向けリリース内容は本国で発表されたプレリリース内容が優先するとしています。この発表によれば、アストラゼネカが行なった試験は「PEGASUS-TIMI54試験」で、全世界で試験前3年以内に心筋梗塞の既往歴がある患者21,000例以上を対象に実施され、血小板活性阻害剤「チカグレロル(海外での製品名:BRILINTA)」投与群とプラセボ群との比較を行い、宛てローム血栓性イベント再発抑制効果について調べたものです。当試験では、いずれの群も低用量のアスピリンを併用して投与され、主要評価項目は「心血管死、心筋梗塞、脳梗塞からなる複合エンドポイント」と設定されています。この結果、チカグレロル投与群(試験用量:90mg・60mg)はプラセボ群と比べると主要評価項目の有意な減少が認められました。また、チカグレロル投与群とプラセボ群とを比較したときに、チカグレロル投与群ではアスピリンとの併用によってTIMI Major Bleedingが高い頻度で発生することが明らかとなりました。このことは経口抗血小板剤のプロファイルとして既に予想されていたことで、これまでに行なわれていた類似した患者群を対象とした試験結果と同様となりましたが、頭蓋内出血および致死的出血に関しては、プラセボ群と同程度の発生率であり、その頻度は低いと言えます。

アストラゼネカ代表のコメント

Vice Presidentかつグローバル医薬品開発部門 循環器・代謝疾患領域統括部長のElizabeth Bjork氏は、今回の試験について、アストラゼネカ最大級の臨床試験を完遂させたことを誇りに思うと延べ、この試験結果について心筋梗塞の既往歴を持つ高リスク患者への長期抗血小板併用療法を評価するポジティブなものとしました。

チカグレロルについて

チカグレロルは、P2Y12受容体に直接作用することで血小板活性を阻害する、シクロペンチルトリアゾロピリミジン群系薬剤で、ACS(急性冠症候群)患者の血栓性心血管イベント発生率を低下させることが示されているものです。日本においては未承認薬であり、現在は欧州医薬品庁および米国食品医薬品局に承認申請を提出した段階です。