「デング熱」の病体に関する講演が行われる

9月11日に国立国際医療研究センターでメディアセミナーが行われ、現在非常に注目が高まっている「デング熱」の病体について解説がありました。この講演によると、「ウイルスを保持する蚊に刺されることにより感染すると、3〜7日後に発症し、その後5〜7日間の高熱・ふしぶしや筋肉の痛み・頭痛・目の奥の痛みが続き、解熱時には全身に発疹および強い倦怠感が見られる」のがデング熱の病状の特徴です。また、発熱3日めごろから白血球数と血小板数が減少するのが特徴的です。尚、のどの痛みや鼻水、咳痰などのいわゆる風邪の症状は、デング熱である可能性が低いとの事です。解熱時に重篤化する可能性もあるようで、感染した場合には発熱後の経過観察が重要との見方を示しています。

「デング熱」について

デング熱はヒトスジシマカやネッタイシマカなどの蚊が媒介するデングウイルスによって引き起こされる感染症です。「人ー人」の感染はなく、「人ー蚊ー人」の経路でのみ感染するとされています。デングウイルスが引き起こす病態は2種類あり、非致死性のデング熱と致死の可能性もあるデング出血熱・デングショック症候群に分けられます。

毎年、日本人のデング熱感染は約100例もある

毎年、デング熱にかかる日本人は100例ほど報告されていますが、いずれも海外での感染後、日本で発症する輸入症例でした。ただし、その報告は年々増加傾向にあり、2010年の段階で既に輸入デング熱の国内感染の危険性について注意喚起が行われていました。

国内感染は実に60年以上ぶり

実は、1940年代に日本ではデング熱が大流行し、数十万人が感染したことがあったのです。その後は、国内感染の報告はありませんでしたが、2013年に日本を訪れたドイツ人女性が日本でデング熱に感染したとの報告がありました。この時点で既に日本にはデングウイルスを保持する蚊が存在していたことになります。ちなみに、このドイツ人女性が感染したと思われるのは、東京近辺ではなく山梨県とされています。そして、今回2014年8月より日本人が次々と国内感染し、現時点で103例が報告されています。

今後、デング熱に関して気をつけるべきなのは

今回、国内感染が広まっているデング熱には致死性はないものの、解熱時に重篤化したり、再感染時に重症型のデング出血熱となる可能性があるなど、決して軽視できません。また、乳幼児や妊婦、糖尿病患者は重症化しやすい傾向が認められており、注意が必要です。1940年代のような事態にならないよう、自らが感染媒介者とならない努力をする必要があります。(長袖・長ズボンの着用、草むらや水辺に近づかないなど)さらに、関東周辺以外でも蚊に刺された後にデング熱と思われるような病状が現れた際には、早急に最寄の保健所に電話をするようにしましょう。