厚労省が後期高齢者保健事業で薬剤師による相談を検討

2014年11月7日厚生労働省専用第22会議室において、第84回社会保障審議会医療保険部会が開かれ、医療保険制度改革についての議論が交わされました。この中で、後期高齢者の保健事業等の現状・課題およびこれらに係る論点についても議論されました。後期高齢者医療における保健事業は、健康に関わる教育・相談・診査など、被保険者の健康保持促進のために必要な事業を可能な限り行なうこととしています。また後期高齢者は75歳以上を指し、2008年に後期高齢者医療制度が創設されてからは、後期高齢者の健康診査は市町村の実施義務から広域連合の努力義務となっています。現段階での後期高齢者の健康診査についての考え方としては、身体状況などの個人差が大きいこと、生活習慣改善が生活習慣病予防へもたらす効果が少ないことなどを挙げ、低栄養や体重減少などのリスクを考えた対象者に応じた支援が必要とされています。このため、薬剤師や管理栄養士などの専門家による定期的な健康指導が検討されています。

後期高齢者の保健事業における現状・課題について

保健事業を主体として実施している後期高齢者医療広域連合では、保健師などの専門職の配置が徹底しておらず、およそ1500人が働く47広域連合中、10広域連合において専門職者がわずか15名しかいないという現状が挙げられています。また、健康診査実施に関しても、市町村へ委託されているのが現状で、健診が徹底されていません。しかし一方で、後期高齢者には体重減少や低栄養および筋量低下などのリスク増加が見られ、こうした生活機能低下による疾病などの重症化予防のための保健事業拡大が課題として挙げられています。

後期高齢者の保健事業についての論点

こうした現状・課題を受け、以下のような論点が挙げられました。まずは、健康診査の内容を後期高齢者の特性に合わせたものに変更する必要性や、かかりつけ医の存在の有無をどのように捉えるか、さらにこれらを踏まえた上での必要とされる対応について挙げられました。次に、健康診査に加えた後期高齢者特有のリスクに効果的な事業の充実が検討されました。ここでは、保健センターなどの市町村の拠点において、薬剤師や保健師などの専門職が訪問指導や相談を行なうことや、市町村の介護予防取組みとの連携を図ることなどが挙げられています。さらに、ジェネリック医薬品の使用促進などにより医療費の適正化をはかることなども議論されています。