新型インフル対策小委員会 期限切れに際して薬剤備蓄について議論

2015年6月9日に厚生科学審議会・新型インフルエンザ対策に関する小委員会の第2回となる医療・医薬品作業班会議が、東京医療保健大学/大学院感染制御学副学長である大久保憲教授を班長として迎え、開催されました。5月20日に行なわれた第1回目医療・医薬品作業班会議に引き続き、今回の会議においても、新型インフルエンザ対策における抗インフルエンザウイルス薬の備蓄などについての議論が行なわれました。この医療・医薬品作業班会議では、抗インフルエンザ薬の期限が切れていくことにより、2016年度より抗インフルエンザ薬の備蓄目標数値を下回ることに係り、備蓄総量の目標ならびに備蓄薬剤の種類・量の目標という2つの課題について議論が交わされました。

備蓄総量目標における課題について

備蓄総量の目標設定においては、2009年に人口の45%とすることが決定されています。これは、患者の治療、予防投与、季節性インフルエンザの同時流行という3つの要素についてそれぞれ適切と考えられる人口を想定したことにより決定されました。2016年度からこの45%という数値目標を下回ってしまうことについて、今回の会議では、次のような論点で議論が行なわれました。「患者の治療」という要素に関しては、現行の被害想定上の受診者数(約1,300~2,500万人)の想定を踏襲すべきか、重症患者への投与に関し、市場流通分で充足できるか否かという論点について話し合われました。また、「予防投与」に関しては、患者1人あたりの濃厚接触者の基準や地域封じ込めなどについて、「季節性インフルエンザ同時流行」に関しては、新型インフルエンザが流行する際に季節性インフルエンザが例年と同レベルで流行することは考えにくいことから、市場流通分で充足できるかどうか、またパンデミック時の増産分を見込むかどうかといった論点について話し合われました。

備蓄薬剤の種類と量における課題ついて

現在、抗インフルエンザウイルス薬として薬事承認されているのは、タミフル・リレンザ・イナビル・ラピアクタ・アビガンの5種です。タミフルには小児向けのドライシロップがあるものの、枯渇した場合には苦味の強いタミフルの脱カプセルによる経口投与での対応で十分かどうか、小児への投与はどうかなど、小児科医に意見を求めました。また、リレンザやイナビルについては、使用対象者が近似していることから、両剤の同時備蓄の必要性などについて、ラピアクタについては、投与すべき患者の重症度や、国内製造品であることを考慮した備蓄量の設定などについて専門家に意見を求めました。さらに、アビガンについては、季節性インフルエンザにおける有効性・安全性についてのデータの提出を待って、改めて備蓄についての議論を行なうこととしました。