厚労省が新たに14物質を指定薬物に 危険ドラッグ対策進む

2014年9月19日に、厚生労働省が14物質を指定薬物に指定する省令を公布しました。これらの物質は、薬事・食品衛生審議会薬事分科会指定薬物部会が9月16日に指定薬物として認めたもので、省令施行の9月29日以降は、これら指定薬物を含むいかなる製品も製造・輸入・販売・所持・使用が原則禁止となります。この発表が合った9月19日、厚労省は危険ドラッグ販売業者に対し、この省令公布を呼びかけるとともに、省令施行までの間であっても無承認無許可医薬品を取り扱っていることにほぼ変わりないこと、これら14物質は「あくまで一例」であり、類似製品を扱うことが無承認無許可医薬品を扱うことに等しく、このことは「薬事法第68条に違反する」と呼びかけています。そして、直ちにこれらの物質を含む製品の取り扱いを止めるよう警告しています。これと平行して、国民全体に対してもこれらの物質や類似物質を含むような製品の使用および携帯は犯罪であるとし、注意を呼びかけました。

これまでの経緯

危険ドラッグに対する厚生労働省の取り締まりは、2013年12月13日に一度に495物質が指定されたことで一気に強化されました。この時点で指定薬物の総数は1362物質となり、主にカンナビノイド系とカチノン系が指定されました。2014年に入った後も指定薬物は追加されていき、今回で今年に入って5回目の追加省令となりました。特に今年4月1日からは、指定薬物の使用や所持、購入や譲受が禁止となり、これに違反した場合、3年以下の懲役や300万円以下の罰金という重い罰則が設けられ、危険ドラッグに対してかなりの厳重体制が敷かれてきていることが分ります。

危険ドラッグ対策のこれから

これほどまでに強化されてきている危険ドラッグ対策ではありますが、専門家の中にはこれらの対策に疑問を抱いている方もみえます。国立精神神経医療研究センターの薬物依存研究部部長である和田清氏によれば、日本の危険ドラッグなどの違法薬物対策の欠点は、早期発見・治療、社会復帰の体制がほとんど整っていないことだそうです。なんと、日本の違法薬物使用率は先進国でトップレベルの少なさであるのに対し、治療や社会復帰体制の定着率は先進国の中で最貧国レベルとのこと。日本で再犯を繰り返し苦しんでいる危険ドラッグ中毒患者を救い、立ち直らせるような仕組みづくりにも注力していかないと、先進国でトップレベルの違法薬物使用率の低さも維持するのが難しくなるかもしれません。今後の厚労省の危険ドラッグ対策の動きにに注目です。