【厚労省】デング熱で診療GL作成 ‐ 一部解熱剤には注意が必要

2014年9月16日に厚生労働省健康局結核感染症課は「デング熱診療ガイドライン(第1版)」を作成し、医療関係者などへ周知を呼びかけました。このガイドラインは9月3日に厚労省同課の「デング熱の国内感染症例について(第五報)」の連絡で配布された資料「デング熱診療マニュアル(第1版)」の内容を刷新したもので、近年日本国内で患者数が急増しているデング熱について、医師の対応と治療方針をWHOのガイドラインなどを参考に作成したものです。

9月16日時点で日本国内でのデング熱感染は124症例

デング熱の潜伏機関は3〜7日とされているため、発症前2週間に海外渡航暦がない場合、国内感染したと考えられます。日本でデング熱を媒介するのはヒトスジシマカで、5〜10月をメインに活動します。9月16日時点で、日本国内の発症前2週間に海外渡航暦がない124人がデング熱に感染したことが分っており、10月までヒトスジシマカが活動を続けることを考慮すれば、まだまだ患者数が増加する可能性は十分にあります。よって、今回発表されたガイドラインの周知徹底により、少しでも被害拡大を抑える必要があります。

ガイドラインのアウトライン

今回発表されたガイドラインでは、デング熱の概要説明から始まり、医師を初めとする医療関係者が知っておくべきデング熱患者の症状と検査所見、さらにデング熱と疑われる患者の確定診断の方法、そして確定した場合の治療方法を外来と入院に分けて説明しています。最後に院内感染予防などについても言及しています。

現段階では予防ワクチンも抗ウイルス薬もない

ガイドラインによれば、現時点でデング熱を予防するためのワクチンは存在せず、蚊に刺されないようにする他ないとしています。また、感染した場合も有効な抗ウイルス薬はないため、対症療法で乗り切るほかなく、水分補給や解熱剤の投与を行っていくとしています。ただし、この解熱剤には注意が必要で、アセトアミノフェンなどの使用を推奨しています。これは、アスピリンでは出血傾向やアシドーシスが助長され、非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンなど)でも出血などが助長されるためです。厚労省では、これらの使用を控えるよう、医師らに呼びかけています。また患者自身も、デング熱が疑われる場合、自己判断でアスピリンやイブプロフェン系の解熱剤を飲まない必要があります。