米J&Jがエボラワクチン第I相ヒト初回投与試験開始を発表

2015年1月20日にジョンソン・エンド・ジョンソン(以下「J&J」)の医薬品部門であるヤンセンファーマ株式会社(以下「ヤンセン」)は、2015年1月6日付けでJ&Jがヤンセンで開発中のエボラ出血熱ワクチンの第I相ヒト初回投与試験を開始していたことを、日本国内で初めて発表しました。尚、米国ニュージャージー州の現地時間1月6日付けで、J&Jは米国向けにこの情報を既にプレリリースしています。当試験は、オックスフォード大学小児科・オックスフォードワクチングループを筆頭に行なわれており、現地時間1月6日時点では被験者の登録および最初の試験者に対する初回ワクチンの投与が行なわれている段階で、被験者登録は現地時間の1月末まで行なわれる見込みです。

エボラ出血熱ワクチンの第I相ヒト初回投与試験について

当試験は、1度目の投与を初回免疫(プライム)に、2度目の投与を追加免疫(ブースト)に用いる、プライムブーストワクチンの安全性や忍容性を評価するもので、この投与によって引き起こされる免疫反応を長期スパンで評価するものです。被験者には72人の健康成人を用い、ワクチンとプラセボを組み合わせ様々な投与方法を実施する予定で、1月下旬より米国で試験を開始し、その後アフリカでも順次行なう模様です。

エボラ出血熱ワクチン生産予定について

J&Jはこのヤンセンのエボラワクチン計画に最高2億ドルの投資を行なうと2014年10月時点で発表しており、政府機関や非政府機関にも資金援助を求め、コスト面におけるリスク分散を図ってきました。当ワクチンはヤンセンのグループ企業Crucell Holland B.V.社とデンマークのバイオ企業Bavarian Nordic社のそれぞれの技術に基づく2つのワクチンを組み合わせたもので、NIH(米国国立衛生研究所)との共同研究によって生まれました。当ワクチンを用いてNIHが行なった前臨床試験において、現在流行中のエボラ出血熱原因ウイルスに酷似しているキクウィットザイール株に完全な予防効果が見られています。ヤンセンは、このワクチンの大量生産に当たり、既にBavarian Nordic社と提携を結んでおり、大規模臨床試験に必要なプライムブーストワクチン40万回以上分の生産を2015年4月までに行い、2015年中には200万回分の生産が可能と発表しています。さらに、12〜18ヶ月間で最大500万回分までの増産も可能としています。尚、エボラ出血熱の流行制御には医療従事者へのワクチン最低10万回分、流行国への大規模予防接種として最大1200万回分が必要と予測されています。
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