アストラゼネカが血液検査によるEGFR変異診断の有用性を示す

2015年4月20日にアストラゼネカ株式会社(以下「アストラゼネカ」)は、進行性非細胞肺がんかつ上皮成長因子受容体変異陽性の患者への血漿中循環腫瘍DNA検査が有効であることが臨床試験によって示されたことを、日本に向けて発表しました。この有効性についての発表は、英国アストラゼネカ本社が2015年4月17日に既に発表していたものです。また、有効性が示された臨床試験とは、ASSESS試験とIGNITE試験の2つで、この試験から得られたデータについては、2015年欧州肺がん学会議(開催地:スイス・ジュネーブ)にて発表されているとの事です。このASSESS試験からは、上皮成長因子受容体変異陽性の腫瘍と血漿中循環腫瘍DNA検査の結果が89%(95%信頼区間:87-91)で一致するという結果が得られています。また、IGNITE試験からは、全ての進行性非細胞肺がんにおける上皮成長因子受容体変異のレベルが、血漿中循環腫瘍DNA検査を行なう意味があるレベルであったという結果が得られています。これら2つの試験結果から、アストラゼネカは、上皮成長因子受容体変異を検出する診断薬を開拓する企業としての自社の世界的な地位を強調しました。尚、2015年2月には中国食品医薬品局が、腫瘍組織が入手できない場合に、血液ベース検査による診断を「イレッサ」の添付文書に加えており、最近では、欧州で、腫瘍検体が評価不能な場合に血漿中循環腫瘍DNA検査による診断が「イレッサ」の使用に承認されています。

イレッサについて

イレッサは、2002年に発売され、現在では世界90カ国で承認されている、進行または転移上皮成長因子受容体変異陽性非小細胞肺がんに対する分子標的治療薬です。上皮成長因子受容体のチロシンキナーゼを阻害し、シグナル伝達を遮断することで、腫瘍細胞の増殖や転移を防ぎます。

ASSESS試験とIGNITE試験について

ASSESS試験は、進行性非小細胞肺がんにおける上皮成長因子受容体変異について、腫瘍生検と血漿中循環腫瘍DNA検査の比較を行なったものです。検体1,162件を対象に行なわれ、結果は89%と、「ほぼ一致」という結果になりました。腫瘍検査で変異が確認された患者の半数が血液検査によって同定され、腫瘍検査で変異の見落としがあった患者の一部が血液検査によって同定されています。IGNITE試験は、進行性非小細胞肺がん患者3,300例以上を対象に行なわれ、腺がん組織型と非腺がん組織型を比較し、上皮成長因子受容体変異頻度を調べました。この結果、腺がん組織型の変異頻度は、非腺がん組織型に比べて高くなりましたが、非腺がん組織型における変異頻度も注目すべきレベルであったため、全ての進行性非小細胞肺がん患者に対して上皮成長因子受容体変異検査を行なう意味があるという結論に達しています。