厚労省予防接種・ワクチン分科会、輸入ワクチン賠償の期間延長は「なし」

2015年6月1日に第10回目となる厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 研究開発および生産流通部会)が開催され、予防接種法附則第6条の「損失補償契約」および、インフルエンザワクチンなどに関する議論が行なわれました。損失補償契約は、2011年7月22日に施行しており、施行日から5年間に限定し、新型インフルエンザの薬事法上特例承認された輸入ワクチンに関して、これにより発生した健康被害に係る賠償が生じた場合、国が海外メーカーの損失を補償するというものです。今回の部会では、2016年7月21日にこの期限を迎えるため、期限移行の損失補償契約が必要かを議論し、期限延長は行なわないことを決定しました。

損失補償契約の規定について

当規定は、日本におけるワクチンの生産体制の実情を踏まえて施行されたもので、世界規模で新型インフルエンザワクチンが必要とされている状況において、早急なワクチン確保が必要とされた場合に、海外からワクチンの輸入を行なったことから設けられたものです。5年間限定とした事に関しては、全国民分の新型インフルエンザワクチン生産が可能となる体制を構築するまでに必要な経過的措置ということで、当規定を設けたためです。また、今回の期限延長を行なわないという決定は、新型インフルエンザワクチンの生産方法が細胞培養法となったことで、2016年度の第1四半期までに1億500万人分の生産が見込まれており、従来の鶏卵培養法の生産能力は600万~2,600万人分であることから、2016年7月以降にワクチンの輸入を行なう可能性が低いことが理由となっています。

2015年度のインフルエンザHAワクチン製造株について

今回の部会では、2015年度シーズンのインフルエンザワクチンの製造株についての決定もなされました。今期からは、4価ワクチンが導入され、A型株についてはH1N1pdm09およびH3N2、B型株については山形系統およびビクトリア系統のワクチン株が選定されました。4価ワクチンの導入は、近年のインフルエンザの流行傾向から、WHOからも4価ワクチンの推奨が南半球向けに行なわれたことや、米国でも2013年度シーズンから4価ワクチンへ移行していることなどを理由に、日本でも2015年度から導入を行なうものです。