アステラス「エンザルタミド」の最新データ発表 治療成績が向上

2015年3月25日にアステラス製薬株式会社(以下「アステラス製薬」)は、2015 欧州泌尿器科学会議にて発表した、前立腺がん治療薬「エンザルタミド(一般名:イクスタンジ)」についての新たなデータを、日本向けに発表しました。エンザルタミドは、米国メディベーション社と共に開発・商業化を行なっているアンドロゲン受容体阻害剤です。今回発表されたデータは、北米とヨーロッパで行なわれた無作為化二重盲検第?相試験「TERRAIN試験」および、米国・カナダ・ヨーロッパ・オーストラリア・ロシア・イスラエル・アジア諸国(日本含む)にて行なわれた国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照第?相試験「PREVAIL試験」の最新結果です。TERRAIN試験では、375例の転移性去勢抵抗性前立腺がん患者を対象に、去勢治療を継続しつつ、エンザルタミド投与群とビカルタミド投与群を比較した結果、無増悪生存期間(主要評価項目)において、エンザルタミド群は統計学的に有意にこの期間を延長しました。また、PREVAIL試験では、1717例の化学療法施行歴のない転移性前立腺がん患者を対象に、エンザルタミド群とプラセボ群を比較した結果、全生存期間(主要評価項目)において、エンザルタミド群は統計学的に有意な延長が認められました。

「TERRAIN試験」について

TERRAIN試験では、薬物去勢あるいは外科的去勢の後に進行が認められた転移性前立腺がん患者を対象としています。薬物去勢は、LHRH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)アナログによって行なわれています。また、現在は、LHRH療法とビカルタミド投与を併用するのが一般的な治療法となっており、この試験では、このビカルタミド投与と新薬であるエンザルタミド投与を、去勢療法との併用という形で比較しました。この結果、無増悪生存期間の中央値は、エンザルタミド群が15.7ヶ月、ビカルタミド群が5.8ヶ月となり、エンザルタミド群において9.9ヶ月の延長が認められました。また、安全性プロファイルに関しても、これまでに認められているエンザルタミドのものと一致していることが確認されました。ドイツのアーヘン大学病院泌尿器科のAxel Heidenreich主任教授は、LHRH療法との併用には、ビカルタミドよりもエンザルタミドの方が治療成績を向上させることが明らかとなったと述べ、去勢抵抗性前立腺がん治療に影響を与える可能性を示唆しました。

「PREVAIL試験」について

PREVAIL試験では、対象となった患者のうち784例が死亡した時点での全生存期間の最新データを発表しています。このデータによると、生存期間の中央値は、エンザルタミド群が35.3ヶ月、プラセボ群が31.3ヶ月となり、エンザルタミド群において4ヶ月の延長が認められました。また、エンザルタミド群では死亡リスクを23%低下させることも明らかとなりました。
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