日本医師会会長、財務省の提案に難色示す

2014年10月15日、日本医師会の会長、横倉義武氏が会見を行い、財政制度等審議会財政制度分科会が社会保障について行った提案のうち、医療・介護への提案に対して日本医師会の考えを発表しました。財政制度分科会は、2014年10月8日に第3特別会議室で行われたもので、2025年に団塊の世代が全て75歳以上となり、日本が「超高齢化社会」を迎えることにあたって、社会保障給付費の伸びの見通しと、それに向けた改善案など議論したものです。特に給付費の伸びが見込まれる、医療・介護分野については、徹底した合理化と効率化が必要不可欠とされているため、医療・介護への提案にはかなり厳しい提案も含まれていました。これに対し横倉会長は、一つ一つの提案に日本医師会の考えを述べていきましたが、全体的に難色を示しており、現場の声と国会での理想にズレが生じていることが明らかとなりました。

日本医師会の見解 − 医療費水準に関する目標設定について

財政制度等審議会財政制度分科会の提案に対する横倉会長の示す見解には、主に次のようなものがありました。まずは、「医療費の水準に関する目標を設定するべき」という提案について、「適切な地域医療を行う阻害要因になる」との意見を示しています。これは財務省が、地域医療構想と整合的な医療費水準に関する目標の設定が必要とした上で、地域医療構想を遅くとも2016度中に策定した後、遅くとも2017年度までには医療費適正化計画の見直しを図る必要があると提案したものです。これに対して横倉会長は、今年の10月から始まった病床機能報告制度によって地域医療構想の策定に関しては既に執り行われていること、地域と医師が一体となって、地域情勢を考慮した地域医療構想の策定を行った結果として、医療費が適正となるのが理想であると述べました。

日本医師会の見解 − 後発医薬品の促進について

財務省が提案した「参照価格制度」に関して、横倉会長は、後発医薬品の安定供給がなされていない現状では、患者の負担が増えることや、患者の支払い能力によって受けられる医療が制限されることが懸念されると述べ、現段階でこの提案には無理があるとの見解を示しました。参照価格制度とは、現在の日本での後発医薬品普及率が他の先進国と比べて格段に低いことを受けて提案した制度で、後発医薬品の使用を促進すると共に、医薬品にかかる保険給付の適正化を図ったものです。具体的には、後発医薬品に基づき、先発医薬品の保険給付額を設定し、それを超えた分は患者が負担するというものです。同様の制度はフランスやドイツにも既に存在しており、両国とも後発医薬品シェアが約70%以上となっています。(日本のシェアはわずか約40%)横倉会長は、現状を打破するには、まずは環境整備が必要だと述べ、国がメーカーを指導するなどといった案を提示しました。