武田がiPS研究所「CiRA」と共同研究、臨床応用へ向けた長期プロジェクト

2015年4月17日に武田薬品工業株式会社(以下「武田薬品」)は、京都大学iPS細胞研究所(以下「CiRA」)とiPS細胞技術の臨床への応用に関する共同研究の契約締結を行なったことを発表しました。当契約は「T-CiRA」と名づけられ、iPS細胞技術を心不全や糖尿病、神経疾患などの治療へと応用出来るよう、創薬研究や細胞治療研究などに関する複数のプロジェクトを、山中伸弥教授指揮の下で実施する模様です。CiRAの所長である山中伸弥教授は、iPS細胞の発見者であり、これによりノーベル賞を受賞しています。今回の提携に係り、武田薬品は藤沢市の湘南研究所内の研究設備、および10年間にわたる研究費用の提供を行ないます。具体的には、提携費用200億円、研究支援120億円以上相当となる見込みです。また、研究支援には、施設や設備をはじめ、武田薬品から送り込む研究者なども含まれており、50名程度を予定しています。さらに、武田薬品の化合物ライブラリーなどの研究資産についても、今回の共同研究に用いるとのことです。iPS細胞技術の研究や臨床応用には、莫大な時間や労力、資金が必要ですが、今回の提携が大きく貢献することになります。共同研究当初は、心不全・糖尿病・精神神経疾患・がん免疫療法などの領域の研究を行なう可能性が高いと言われていますが、さらにプロジェクトを追加していき、最大で10件程度のプロジェクトを同時に実施することも視野に入れている模様です。

武田薬品代表取締役社長CEO、Christophe Weber氏のコメント

Christophe Weber氏は、日本の国家プロジェクトとも方向性が合致しているiPS細胞技術の応用について、iPS細胞研究において世界をリードするCiRAの研究支援を行なえることを嬉しく思うとし、この共同研究が革新的治療の開発へ繋がることを期待する旨を述べました。

CiRA所長、山中伸弥教授のコメント

山中伸弥教授は、今回の武田薬品との長期にわたる提携について、iPS細胞技術の臨床応用実現に向けての大きな力となるだろうとし、メジャーな疾患だけでなく稀少疾患についても、新たな治療法を開発していきたいと述べました。また、10年間にわたり莫大な研究支援を行なう武田薬品に対し、感謝の念を伝えました。
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