厚生労働省、国際薬事規制調和戦略をとりまとめる

2015年6月26日に厚生労働省は「国際薬事規制調和戦略-レギュラトリーサイエンス・イニシアチブ-」を取りまとめたことを発表しました。日本の強みである薬事規制に関する知見をアジアをはじめとする世界各国に対して発信し、この分野において日本が国際調和や国際協力に積極的に貢献するためのものです。この戦略により、アジア諸国をはじめとする世界各国のドラッグラグなどの解決を目指し、国際社会の保健衛生向上に貢献するとともに、日本の医薬品分野における市場魅力をさらに向上させ、国外メーカーなどを日本に呼び込み、日本の医薬品などの産業の活性化を目指す見込みです。

日本の医薬品などの分野の現状について

日本では、国民皆保険が実施されているため、保険償還が早く、臨床データの集約の可能性が高いと考えられています。また、医療技術や科学技術のレベルは、世界的に見ても非常に高度であり、世界に先駆けた医薬品開発を行なうことが可能です。さらに、日本人の疾患・治療薬データを取ることにより、アジア人に特徴的な疾患に役立つようなデータをアジア全体で活用することが可能です。ただし、市場規模の小ささや治験のコスト高など、企業の開発投資インセンティブが弱いことが課題と見なされています。こうした現状を踏まえて、世界に先駆けたイノベーティブな医薬品などがスムーズに承認されるような環境整備などを積極的に行なっていく方針です。

アジアにおける日本の位置づけについて

現在、アジアにおいて、欧米で承認を受けた医薬品は、簡略審査制度の対象となっているのに対し、日本の製品は欧米のものと同等の位置づけではなく、この制度の対象とはなっていません。日米EUの医薬品規制調和の3極の一角を占める日本として、アジアにおける薬事規制の構築を行なうことが、この戦略の取組みの1つです。この取組みにおいては、短期目標として、アジアにおける日本の医薬品などの位置づけを欧米と同等のものとし、簡略審査制度の対象とすること、中長期目標として、アジアにおける国際共同治験の中核トレーニング施設や、アジア医薬品・医療機器薬事トレーニングセンターの設置などを行なうこととしています。こうした取組みにより、アジア諸国に対する日本のレギュラトリーサイエンスの積極的な情報発信が見込めるほか、アジア全体の薬事規制の向上にも繋がると見込まれています。