医療薬学会年会で日本の地域包括ケアシステムについて語られる

2014年9月27日、28日に第24回日本医療薬学会年会が開催され、その中で行われたシンポジウムでは、「海外における医師と薬剤師による薬物治療管理について」というテーマの下、様々な講演が行われました。その中でも、厚生労働省 医薬食品局総務課の中井清人氏講演の「米国のCDTMから学ぶべきこと」では、アメリカでのCDTM(共同薬物治療管理業務)から薬剤師が学ぶべきこと、さらにCDTM推進以前に薬剤師に求められていることは何か、OTC医薬品の取り扱いに対する薬剤師のあり方などについて言及しました。また、一般社団法人 上田薬剤師会の飯島康典氏の「薬局における業務の実情と課題」では、海外での取り組みを例に挙げながら、日本における地域包括ケアシステムにおける薬剤師の重要性を強調しました。

中井氏「米国のCDTMから学ぶべきこと」の概要

「海外における医師と薬剤師による薬物治療管理について」というテーマのもと、まず初めに講演したのが中井清人氏です。中井氏は薬局に対し地域包括ケアシステムにおいて役割を果たすよう要請し、OTC医薬品販売によるセルフメディケーションの推進や、薬局が地域住民のファーストアクセスの場となること、在宅医療への参画などの具体例を交えました。さらに、アメリカのCDTM(薬剤師が医師との契約の範囲内で主体的に薬物療法を行うこと)から学ぶべきこととして、市場原理が重視されるアメリカにおいて、薬剤師の重要性を医療の質向上や医療費抑制という観点から数値的にアピールし、薬剤師の地位向上に繋げたその姿勢こそ学ぶべきとしました。逆に、CDTMは医療制度の一つのモデルに過ぎず、この仕組みにばかり注目すべきではないとし、CDTMを参考にした医療体制を薬剤師が推進することを後押ししました。しかしながら、まずは現在の日本で求められているかかりつけ薬局制度を確率することを優先すべきとし、地域に感謝される薬剤師像についてよく考えるように促しました。

飯島氏「薬局における業務の実情と課題」の概要

「海外における医師と薬剤師による薬物治療管理について」というテーマを締めくくったのは飯島康典氏です。飯島氏は現在の課題として、薬局数の多さや投資の仕方について挙げ、患者へのサービス向上のためにこれらを変えていく必要があるとしました。また、製剤業務の機械化が進む今、薬剤師に求められるのは対人業務であるとし、業務の効率化の必要性を語りました。さらに、オーストラリアのHMR(在宅医薬品管理)やデンマークの薬局などの具体例を交えながら、日本の薬局・薬剤師に求められるものは、地域包括ケアシステムへの参画、薬局の役割の構築、医療チームの様々な職種の人から認められるような薬剤師像の創造だと強調しました。